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ブリュンヒルデ / 石川栄作
Suruga-ya
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• Product condition
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• Circle
• 著
石川栄作
• Issue date
2024/11/25
• Rating
All ages
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その他諸国エッセイ・随筆【内容紹介】★著者が語る本書の魅力!ブリュンヒルデと聞けば、まずワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』を思い浮かべるが、そのルーツは古代ゲルマン民族大移動時代にまで遡る。5、6世紀にライン河畔フランケンの領土でブリュンヒルト伝説が生まれ、それは9世紀以降に北欧へ伝承され、エッダ・サガのかたちで文字に書き留められる。そこではブリュンヒルトは北欧の主神オージンと結びづけられて、戦乙女(ワルキューレ)として登場し、英雄シグルズ(ドイツではジークフリート)に思いを寄せ、彼の妻グズルーン (ドイツのクリームヒルト) に嫉妬を覚え、それが英雄暗殺の原因となり、「災い」を引き起こす女性として描かれている。13世紀初頭になると、古代ゲルマン伝説はドイツで中世英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』へと発展し、英雄ジークフリート暗殺の物語は定着する。この英雄ジークフリート物語はその後もさまざまに語り継がれ、19世紀にはワーグナーが北欧のエッダ・サガと『ニーベルンゲンの歌』を素材に用いて、楽劇『ニーベルングの指環』四部作を完成させて、新しいブリュンヒルデ像を創り上げる。ワーグナーではブリュンヒルデは古代ゲルマンの勇壮なワルキューレとして登場し、エッダ・サガに見られる「嫉妬」を覚えて「災い」をもたらす女性の性格を持ち合わせるとともに、ジークフリート誕生の際には母性的な愛でもってその誕生を見守り、長い眠りから目覚めるとその英雄と愛で結ばれ、英雄暗殺ののちには「自己犠牲」によって世界を救う「永遠に女性的なるもの」の象徴となる。ワーグナーのブリュンヒルデは古代ゲルマン時代から語り継がれているさまざまなキャラクターを網羅しているところに特徴がある。ワーグナーのあとには、それを素材として戯曲、小説、映画、漫画、絵画等で新しいブリュンヒルデ像が創り出されている。ブリュンヒルデはさまざまな姿に変貌していくのであり、そこにブリュンヒルデの魅力がある。【目次】一章 古代ゲルマン時代の原型第一節 二つのニーベルンゲン伝説の原型第二節 二つの原型伝説のその後の伝承二章 北欧への第一次伝承第一節 歌謡エッダ』におけるブリュンヒルト歌謡第二節 北欧の散文物語『ヴォルスンガ・サガ』第三節 スノリの『散文エッダ』三章 北欧への第二次伝承第一節 説話集『ティードレクス・サガ』の編纂第二節 『ティードレクス・サガ』におけるニーベルンゲン伝説第三節 説話集『ティードレクス・サガ』におけるブリュンヒルトの特徴四章 ドイツ中世英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』第一節 『ニーベルンゲンの歌』の成立と伝承第二節 『ニーベルンゲンの歌』におけるブリュンヒルトの特徴第三節 「権力」と「愛」の戦いの二重構造第四節 『ニーベルンゲンの歌』以後の作品五章 近代におけるニーベルンゲン伝承作品第一節 ニーベルンゲン伝説の再発見第二節 ド・ラ・モット・フケーの戯曲『北欧の英雄』第三節 エルンスト・ラウパッハの戯曲『ニーベルンゲンの財宝』第四節 フリードリヒ・ヘッベルの戯曲『ニーベルンゲン』三部作六章 ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』四部作第一節 楽劇『ニーベルングの指環』四部作の成立過程第二節 序夜『ラインの黄金』におけるブリュンヒルデ誕生のきっかけ第三節 第一夜 『ワルキューレ』における戦乙女ブリュンヒルデ第四節 第二夜『ジークフリート』におけるブリュンヒルデの目覚め第五節 第三夜『神々の黄昏』におけるブリュンヒルデによる世界救出第六節 ブリユンヒルデの変容七章 現代におけるニーベルンゲン伝承作品第一節 二十世紀における戯曲作品第二節 ヘルマン・ヘンドリッヒの絵画第三節 フリッツ・ラング監督の映画『ニーベルンゲン』二部作第四節 ウーリー・エデル監督の映画『ニーベルングの指環』第五節 わが国の漫画・アニメ映画第六節 今後におけるワーグナー楽劇『指環』四部作の上演【著者略歴】1951年高知県生。徳島大学名誉教授。九州大学大学院文学研究科(独文学専攻)修士課程修了。文学博士(九州大学)。専門はドイツ中世文学とワーグナー。主な著書に『ジークフリート伝説』(講談社学術文庫)、『翻訳「ニーベルンゲンの歌」前編・後編』(ちくま文庫)、『ジークフリート伝説集』(同学社)など。