【あらすじ】
龍神・瀬雄津蒼玉主との出会いによって、
絶望の淵から救い出された本当の巫女・久々宇結月。
最愛の花嫁として迎え入れられた屋敷での暮らしは、外の世界を知らず、
妹・美月の影として生きてきた彼女にとって初めての自由だった。
ずっと昔から自分のことを「私の花嫁」と呼んでいた声の主が蒼玉であること、
「もう二度と離さない」理由が、結ばれることのなかった前世の約束にあることを知った結月は、
再会の運命を喜びながらも自分の想いだけを押し付けない彼の優しさに惹かれていく。

「私は何よりも、そなたに幸せでいてほしいんだ」

だが、二人の幸せな時間の前に立ちはだかる、
村を襲う物の怪や、婚約者の白樺啓太郎を利用する美月。
まるで輪廻がそれを阻むかのように、新たな物語が幕を開ける――。