「小宮果穂は──プロデューサーさんに、恋をしました」

　小宮果穂の口を突いて出た恋の告白は、夏の雨の中、アスファルトにぶつかったビー玉のようにひび割れた。
　恋心と失恋に悩む果穂を支える放課後クライマックスガールズの面々、その中でも同じようにプロデューサーを慕う凛世と話を重ね、もう一度の告白を決意する。
　しゃんしゃんと鳴り続ける祭囃子、きらきら煌めくいくつもの提灯、あははと笑う親子連れ、ぱしゃんとポイからすり抜け跳ねる金魚、ふわりと漂うソースの匂い、どぉんと伝わる花火の雷声、からんと鳴ったラムネのビー玉、果穂の背を押す仲間たち。
　そして、ふたりきりの『かくれんぼ』――。

　ヒーローは――『だいすき』に負けない。
　もう一度、小宮果穂はだいすきに立ち向かう。