【あらすじ】
これが人力チート、神プレイの原点。

ゲーム配信では語られない、ストリーマーNIRUのリアルな日々。
幼少期や学生時代のエピソード、社会人の日々、普段の生活、ゲーム配信のことまで1冊に凝縮。
コラムとして、NIRUが考えるゲームが上達する方法も収録。

【本文より】
旅の最終日には島根から広島県の宮島まで足を伸ばすことにした。宮島は友だちと高校時代の修学旅行で訪れた場所でもある。
時節柄、宮島には観光客がほとんど見当たらず、閉店間際に入った水族館は貸し切りのような状態だった。
それはそれで私にとっては心地よく、友だちと修学旅行の思い出を語り合ったりして、ノスタルジーに浸ることができた。

帰りの飛行機まであと2時間となって、広島風お好み焼きを食べに行くことにした。よく考えずに店を予約したのだが、当然のように広島駅の近くにある店だと思い込んでいたら、電車もバスも通っていないような人里離れた場所。店までたどり着く手段はタクシーしかなく、帰りの飛行機までは2時間しかない。
乗り込んだタクシーの運転手さんに事情を話すと、運転手さんはハンドルを握りしめて私たちにこんなふうに告げた。

「よっしゃ、兄ちゃんたち……飛ばすぜ!」

結局、タクシー代だけで往復1万4000円もかかってしまうわけだが(続く)